📝 前回の記事から続き
この記事は、「外国特許出願業務で生成AI Claudeを使い始めた話」の続編です。
前回は導入のきっかけや実際の使用感をお話ししましたが、今回はClaude(AI)に手伝ってもらいながら、具体的な設定方法をまとめました。
※ このガイドは、Claude Opus 4との対話を通じて作成されました。実際に私が試しながら、うまくいった手順をまとめています。
目次
💻Claude Desktopの準備
1. Claude Desktopのインストール
- 公式サイトからダウンロード
- https://claude.ai/download
- Windowsボタンをクリック
- インストール
- ダウンロードした.exeファイルを実行
- 指示に従ってインストール
2. 設定ファイルの準備
- 設定フォルダを開く
Win + R
→%APPDATA%\Claude
- 設定ファイルを作成
- フォルダ内に
claude_desktop_config.json
を作成 - 最低限の内容を記入:
{"mcpServers": {}}
- フォルダ内に
🆕更新情報(2025年7月)
📝 2025年7月更新
検証の結果、Microsoft公式版が最も安定して動作することが確認されたため、推奨設定を更新しました。
推奨設定:Microsoft公式版
{ "mcpServers": { "playwright": { "command": "npx", "args": ["-y", "@playwright/mcp@latest"] } } }
- 必要なもの:Google Chromeのインストール
- メリット:
- 追加インストール不要
- 公式サポート
- 動作確認済み
⚠️ ファイルダウンロードについて
Playwright MCPでダウンロードしたファイルは一時フォルダに保存されるため、PDFダウンロード等は手動で行うことを推奨します。情報収集・自動化には最適ですが、ファイル取得は別途対応が必要です。
📊MCPサーバーの特徴比較
種類 | 言語 | メリット | デメリット | 適用場面 |
---|---|---|---|---|
Pythonベース | Python | 豊富なライブラリ、データ分析・機械学習に強い | Python環境が必要 | データ分析、文書処理、レポート生成 |
Node.jsベース | JavaScript | インストール不要、Webスクレイピングに適している | Pythonライブラリは使えない | ファイル操作、Webブラウザ自動化 |
🐍Pythonベース MCPサーバー設定
markitdown(推奨)
機能: PDF・Word・Excel等を Markdown に変換
特徴: Microsoft製、シンプルで安定
インストール
pip install markitdown-mcp
設定
{ "mcpServers": { "markitdown": { "command": "python", "args": ["-m", "markitdown_mcp"] } } }
主な使用例
- 特許明細書PDF → テキスト化
- WordやExcelファイル → Markdown変換
- 多種類ファイルの一括変換
🌐Node.jsベース MCPサーバー設定(インストール不要)
Node.js系はnpx
で直接実行するため、事前インストール不要
よく使われるNode.js系MCPサーバー:
- filesystem: ローカルファイルの読み書き・操作
- playwright: ブラウザの自動操作(Webサイトのスクレイピング等)
3. Claude Desktopへの設定
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
に追加:
基本的な設定例(filesystemのみ):
{ "mcpServers": { "filesystem": { "command": "npx", "args": [ "-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "C:\\Users\\YourName\\Desktop" ] }, "playwright": { "command": "npx", "args": ["-y", "@playwright/mcp@latest"] } } }
USPTOなどからファイルダウンロードを含む場合の設定例:
{ "mcpServers": { "filesystem": { "command": "npx", "args": [ "-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "C:\\Users\\YourName\\Desktop", "C:\\Users\\YourName\\Downloads" ] }, "playwright": { "command": "npx", "args": ["-y", "@playwright/mcp@latest"] } } }
※ filesystemの場合、最後の引数にアクセスを許可するフォルダパスを指定します。複数のフォルダを指定することも可能です。
⚠️ パスの区切り文字(¥または\)は必ず2つ重ねて記述してください
例:C:¥Users¥YourName¥Desktop → “C:¥¥Users¥¥YourName¥¥Desktop”
(環境によって¥または\で表示されますが、どちらも同じです)
4. インストール済みの確認
# グローバルインストールされたパッケージ
npm list -g --depth=0
# npxのキャッシュ確認
npx cache list
5. Claude Desktop再起動
設定変更後は必ずClaude Desktopを再起動してください。
📝統合設定例
外国特許技術者向け推奨構成
{ "mcpServers": { "filesystem": { "command": "npx", "args": [ "-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "C:\\Users\\YourName\\Downloads", "C:\\Users\\YourName\\Documents" ] }, "playwright": { "command": "npx", "args": ["-y", "@playwright/mcp@latest"] }, "markitdown": { "command": "python", "args": ["-m", "markitdown_mcp"] } } }
この構成でできること:
- ✅ Espacenetでの特許ファミリー調査
- ✅ USPTO Patent Centerでの審査経過確認
- ✅ J-PlatPatでの日本特許検索
- ✅ PDF文書のテキスト化・要約作成
- ✅ Excel/Wordファイルの内容分析
- ✅ ローカルファイルの読み書き・整理
⚡クイックスタート
🚀 すぐに始めたい方へ
- Claude Desktopをインストール
- 設定ファイルに以下をコピペ:
{ "mcpServers": { "filesystem": { "command": "npx", "args": [ "-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "C:\\Users\\YourName\\Desktop" ] }, "playwright": { "command": "npx", "args": ["-y", "@playwright/mcp@latest"] } } }
- Claude Desktop再起動
- テスト:「デスクトップにあるファイルを一覧表示してください」
※ YourNameの部分は実際のユーザー名に置き換えてください
🔧トラブルシューティング
よくある問題と解決法
❌ “MCP server not found” エラー
原因: 設定ファイルの記述ミスまたはパッケージの問題
解決法:
- 設定ファイルの JSON文法をチェック
- パスの区切り文字を確認(\\で記述)
- Claude Desktop再起動
❌ Pythonベースが動かない
原因: Python環境の問題
解決法:
- Python がインストールされているか確認:
python --version
- 必要なパッケージをインストール
- 環境変数 PATH にPythonが含まれているか確認
❌ ファイルアクセスエラー
原因: filesystemで許可されていないフォルダにアクセス
解決法:
- 設定でアクセス許可するフォルダを追加
- Claude Desktop再起動
📚 続編記事:実際に使ってみた体験記
設定が完了したら、実際の業務で活用してみましょう!
▶️ 「外国特許技術者が生成AIで特許ファミリー調査をやってみた」
▶️ 「外国特許技術者が作った日英翻訳チェックのプロンプトチェーン」
どちらも外国特許技術者の実務での体験記です。