Playwright MCP選びで迷った話 – Microsoft公式 vs ExecuteAutomation

📝 前回の記事から続き

この記事は、「Claudeでまとめた!MCP サーバー設定ガイド」の補足です。

記事2でPlaywright MCPの設定をご紹介しましたが、実は2つの選択肢があることが分かり、どちらを選ぶべきか迷ってしまいました

そこでClaude(AI)と一緒に調べて比較分析してみた結果をお話しします。同じように迷っている方の参考になれば幸いです。

「どっちのPlaywright MCPを使えばいいの?」

記事2では@executeautomation/playwright-mcp-serverを推奨として紹介しましたが、調べてみるとMicrosoft公式の @playwright/mcp@latest も存在することが判明。

プログラミング初心者の私には、どちらを選ぶべきか全く分からず…そこでClaudeに相談しながら、実際に調べて比較してみることにしました。

🤔迷った経緯

記事2.1で特許ファミリー調査を実際に試してみて、「これは便利だ!」と思ったのですが、ネットで情報を調べているうちに気づいたんです。

「あれ? Microsoft公式のPlaywright MCPもあるじゃないか…」

公式ドキュメントやGitHubを見ると、どちらも「Claude Desktop用Playwright MCP」として紹介されています。一体何が違うのか、どちらを使うべきなのか、全く分かりませんでした。

🔍2つのPlaywright MCPサーバー

Microsoft公式版:@playwright/mcp@latest

基本情報

  • 開発元:Microsoft Playwrightチーム(公式)
  • リリース:2025年3月頃
  • 設定npx @playwright/mcp@latest
  • 特徴:シンプル・軽量、公式サポート

設定例:

{
  "mcpServers": {
    "playwright": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@playwright/mcp@latest"]
    }
  }
}

ExecuteAutomation版:@executeautomation/playwright-mcp-server

基本情報

  • 開発元:ExecuteAutomation(サードパーティ)
  • リリース:2024年12月頃(Microsoft版より先行)
  • 設定npx @executeautomation/playwright-mcp-server
  • 特徴:高機能(スクリーンショット、テストコード生成等)

設定例:

{
  "mcpServers": {
    "playwright": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@executeautomation/playwright-mcp-server"]
    }
  }
}

主な違い:機能とアプローチ

Claudeに質問しながら調べているうちに、2つのMCPサーバーの違いが分かってきました。どちらもPlaywrightをベースとしていますが、提供される機能と設計思想に違いがあります。

Microsoft公式版:シンプル・軽量重視

基本機能に特化

Playwrightのコア機能を厳選して提供し、安定性と軽量性を重視しています。

特徴:

  • ✅ 高速処理(余分な機能がない)
  • ✅ 安定性重視の設計
  • ✅ 公式サポート
  • ✅ シンプルな機能構成

向いている用途:

  • 基本的なWeb操作(検索、データ取得等)
  • 特許ファミリー調査のような定型業務
  • 安定性を重視する業務

ExecuteAutomation版:高機能・多機能重視

豊富な機能を提供

Playwrightの基本機能に加えて、追加の便利機能を提供しています。

特徴:

  • ✅ スクリーンショット機能
  • ✅ テストコード生成機能
  • ✅ より詳細な操作オプション
  • ❌ Microsoft版より重い可能性
  • ❌ サードパーティ開発(個人プロジェクト)

向いている用途:

  • スクリーンショットが必要な作業
  • テスト自動化との連携
  • より高度な自動化

📊詳細比較表

比較項目 Microsoft公式版 ExecuteAutomation版
開発元 Microsoft(公式) ExecuteAutomation(サードパーティ)
設計思想 シンプル・軽量 高機能・多機能
基本機能 Web操作の基本機能 基本機能+追加機能
スクリーンショット 基本的な機能のみ 詳細な撮影オプション
学習コスト 低い やや高い
将来性 高い(公式サポート) 個人プロジェクト依存

⚠️スクリーンショット機能について

ExecuteAutomation版のスクリーンショット機能について

ExecuteAutomation版にはスクリーンショット機能がありますが、実際の活用には検証が必要です:

  • 機能:ページ全体や特定要素のスクリーンショット撮影
  • 保存方法:Playwrightの標準的な保存方法
  • 注意点:Claude Desktop環境での具体的な保存先や活用方法については、実際に使用して確認が必要

現実的な対応:

  • ✅ 重要なスクリーンショットは手動撮影(Win+Shift+S)を併用
  • ✅ Claude自体での画面表示確認を活用
  • ✅ 実際の使用環境で動作を確認してから本格活用

🎯外国特許技術者としての選択基準

では、私たちの業務ではどちらを選ぶべきでしょうか?実際の使用場面で考えてみました。

特許ファミリー調査での使用例

典型的な操作:

  1. Espacenetにアクセス
  2. 「EP1234567」を検索フィールドに入力
  3. 検索ボタンをクリック
  4. 結果を表形式で整理
  5. 必要に応じてスクリーンショット保存(手動)

Microsoft公式版の場合:

  • ✅ 基本的なWeb操作は確実に実行
  • ✅ 高速処理で大量の特許を効率的に調査
  • ✅ 安定性重視で業務に適している
  • ❌ 高度な機能は期待できない

ExecuteAutomation版の場合:

  • ✅ スクリーンショット等の便利機能
  • ✅ より詳細な操作オプション
  • ❌ 機能が多い分、動作が重い可能性
  • ❌ サードパーティ開発の継続性リスク

💡どちらを選ぶべきか(私なりの判断基準)

Microsoft公式版がおすすめの方:

  • ✅ 特許調査・情報収集がメイン
  • ✅ 安定性・速度を重視
  • ✅ 公式サポートを重視
  • ✅ シンプルな機能で十分
  • ✅ 初心者(私のような…)

ExecuteAutomation版がおすすめの方:

  • ✅ スクリーンショット機能が必要
  • ✅ テストコード自動生成が必要
  • ✅ より高度な自動化を求める
  • ✅ 多機能性を重視
  • ※ サードパーティ開発であることを理解した上で

🙇‍♂️おわりに

プログラミング初心者の私が、Claudeと一緒に「どちらのPlaywright MCPを選ぶか」で迷った経験をお話ししました。

重要なのは、「完璧な正解はない」ということです。どちらも優れたツールですし、実際に使ってみて、必要に応じて変更すれば良いのです。

この「迷い」の過程が、同じように選択で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

免責事項

本記事の比較は2025年7月時点の情報に基づき、Claudeとの対話を通じて分析・作成されています。各MCPサーバーの機能や仕様は今後変更される可能性があります。実際の選択は、各自の環境・要件に応じてご判断ください。

【本記事に関するご質問やご意見はお問い合わせフォームで承ります。なお、営業・勧誘目的のご連絡はご遠慮ください。】

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