食べ物は好きなものを最後に食べる方です。(嫌いなものはあまりないので、先に食べるものが嫌いなわけではありません。)課題は難しいものから着手することが多いと思います。ブログは「外国特許技術者」における「特許」から説明しました。少しホッとしています。

今回は「外国」です。

日本人にとって外国とは、日本以外の国という事になります。特許を取得するするために特許庁に願い出る手続きを出願、出願を行う人を出願人といいますが、外国特許技術者は、主に日本の出願人が外国の特許権の取得をするために外国の特許庁に出願する手続きをお手伝いします。

しかし、各国の特許庁と直接やり取りするわけではありません。それぞれの国の弁理士/特許弁護士等が代理人となって特許庁とのやり取りをしますので、外国特許技術者はそれら代理人とやり取りをすることになります。米国の代理人であれば「米国代理人」、中国の代理人であれば「中国代理人」といいますが、各国の代理人を総称して「現地代理人」と呼ぶことがあります。前回書いたように、特許権の付与は各国ごとに行われますので、外国特許技術者はある程度各国の特許制度を理解していなければなりません。しかし、全ての国の特許制度を完全に理解しておくには限界があります。各国特許制度の専門家である現地代理人との協力関係により、出願人の特許取得をお手伝いしていくことが重要となります。

また、各国それぞれが異なる公用語を用いているため、それぞれの国の言語を使用できれば理想的ですが、通常は事実上の国際語である英語を介して現地代理人とやり取りを行います。従って、外国特許技術者に英語力は必須となります。特許取得の手続きはほとんど書面で行われますので、英会話力はなくても大丈夫ですが、もちろん英会話力もあれば便利です。なお、中国、韓国、台湾の多くの代理人とは、日本語でのやり取りが可能です。

「外国」の対語は「日本」や「国内」ということになるかと思います。特許事務所の業務を分類する場合は、出願人の国籍と出願国の組み合わせにより、日本→日本の場合を「国内」または「内内」、日本→外国の場合を「内外」、外国→日本の場合を「外内」とするのが一般的だと思います。「外国特許技術」の「外国」は、業務の分類では「内外」にあたります。